〈SDGs×SEIKYO ちーちゃんと考える 未来のカタチ〉 1年間に捨てられ国内の食べ物は 世界の食糧支援の量より多い
2022/06/21
「こっちの方が重いなんて……」 作・迎朝子
「SDGs×SEIKYO」の解説編「ちーちゃんと考える 未来のカタチ」。
今回は、SDGs(持続可能な開発目標)の目標12「つくる責任 つかう責任」に掲げられている「食品ロス」の問題について考えます。
Q.食品ロスを減らすためには?
A.一人一人が主体者の意識を持つことが大切だ
〈ちーちゃん〉
ちーちゃん、なんだか元気がないね。どうしたの?
〈カッパ〉
うん。おやつを食べたらお腹がいっぱいになって、夕ご飯を残しちゃったの……。この前、世界には飢餓で苦しむ人がたくさんいるって教わったのに、悪いなって思って。
〈ちーちゃん〉
そっかー。ちーちゃん、世界では毎日、たくさんの食べ物が捨てられているのを知っているかい? せっかく生産された食料も、その3分の1は捨てられているんだ。
〈カッパ〉
えっ! そんなにたくさん? 知らなかった……。
〈ちーちゃん〉
特に廃棄される食料のうち、まだ食べられるのに捨てられてしまう分を「食品ロス」というんだ。日本の食品ロスは、年間で522万トン(2020年推計)。日本人1人が、1年間で41キロ分の食料を捨てている計算になるんだよ。
〈カッパ〉
国連世界食糧計画(WFP)は、飢餓で苦しむ人々のために、年間420万トンの食料支援を行っているんだけど、日本だけで、その1・2倍以上の食料が捨てられているんだ。
〈ちーちゃん〉
援助の量よりも捨てちゃう量が多いなんて、信じられない……。
〈カッパ〉
本当だね。世界で約8億人が直面している飢餓の問題を解決する上でも、食料を無駄にしないことは、とても大切なんだよ。
〈ちーちゃん〉
でも、どうしてそんなに食品ロスが生まれるの?
〈カッパ〉
理由は生産や販売、消費の過程など、さまざまだ。例えば、加工食品を作っている工場のケースを考えてみよう。パッケージに傷がついていたり、印字が間違っていたりすると、商品として販売できないと判断される。大量に捨てられてしまうことがあるんだ。
〈ちーちゃん〉
そうなの⁉ もったいない! 味は変わらないんでしょ。
〈カッパ〉
うん。捨てちゃうくらいなら僕がもらいたいよ……。
あと、家庭でも、食べそびれて悪くなった食べ物を捨ててしまうことってあるだろ? 生産や販売の過程だけでなく、消費者の意識の低さが原因になっていることも多いんだ。
〈ちーちゃん〉
どうしたら、食品ロスを減らせるのかなあ?
〈カッパ〉
日本では、2019年に「食品ロス削減推進法」が施行された。この法律には、企業だけでなく、国や地方公共団体、消費者など、全ての人々が連携し、国民運動として食品ロスの問題に取り組むことがうたわれているんだ。一人一人が主体者との意識が高まって、今では食品ロスも減少の傾向にある。
〈ちーちゃん〉
そっか。やっぱり私たちが意識を変えることが大事なんだね。母さんも「お店では、商品はなるべく消費期限が近いものから買おうね」って言ってた! これも食品ロスを出さないための工夫だったんだね。
〈カッパ〉
その通り! ちょっとした日々の行動の積み重ねが、食品ロスを減らすことにつながるんだ。
〈ちーちゃん〉
そうしたら、私がご飯を残さないことも今からできる挑戦だね! 明日からは、おやつを食べ過ぎないようにする!
〈カッパ〉
偉いね、ちーちゃん! まずは自分ができることから始めてみよう!