名字の言 母の顔を思い浮かべれば……
2022/06/10
名字の言 母の顔を思い浮かべれば……2022年6月10日
思春期を迎えた息子の気ままな言動に悩む夫妻が、ある壮年部員に相談した。
一家をよく知る壮年は、答えに窮した。
考えた揚げ句、壮年は言った。
「わが家では子どもにこう教えています。『物事の判断に悩んだときは、それを実行したら、お母さんがどんな顔をするのかを想像しなさい』と」。
心の中の母親が“笑顔”なら果敢に挑戦しよう。
失敗しても、それは敗北ではない。
逆に“悲しい顔”なら、目先の損得などに惑わされず、絶対にやらない、との趣旨だった。
この話を伝え聞いた息子は、その後、態度が改善したという。
「母を思う」――この心のある人は、人生を正しい軌道で歩んでいけるだろう。
それだけでなく、他者との接し方も変化するはずだ。
例えば、誰かの誤りを正すにしても“この人にも大切な母がある”と思えば、感情的に責めるのではなく、真に蘇生を願う慈しみの言動で対応できるのではないか。
池田先生は「『母を悲しませない心』『母に喜んでもらう心』――それこそが、平和を創る出発点である」と語る。
人は皆、母から生まれる。
人としての感謝、幸福の出発点にもまた、「母」の存在があろう。
わが母はもちろん、心美しき慈母たちを深く尊敬し、報恩を尽くしたい。(城)