アメリカ創価大学 第18回卒業式
2022/05/31
「世界人権宣言」の作成に尽くしたブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁と会見する池田先生
(1993年2月、リオデジャネイロ市内で)
https://youtu.be/n9fsGdIT4dU
アメリカ創価大学 第18回卒業式から 2022年5月30日
平和と人道の連帯を勇気凜々と
池田先生のメッセージ
差異を超えて「人間尊敬」の道を
創価の世界市民の真価を発揮し 使命の舞台から21世紀を晴らせ
一、使命深き18期生の皆さん、また、大学院新教育プログラムの7期生の皆さん、晴れのご卒業、誠におめでとう!
いつにもまして、ご苦労の多い中、勝利の日を共に迎えられたご家族にも、心よりお祝い申し上げます。
人類の宝たる英才たちを支え育んでくださった教職員をはじめ、全ての関係者の方々、誠にありがとうございます!
今この時、まさに試練の時代に旅立つ皆さんへ、私ははなむけとして「創価の世界市民の真価を勇気凜々と発揮せよ」と贈ります。
世界市民にとって普遍の規範というべき「世界人権宣言」――その作成に重要な役割を果たされたブラジル文学アカデミーのアタイデ総裁の最晩年、私はご一緒に対談集『21世紀の人権を語る』を発刊し、採択までの尊き歴史を留めました。
東西冷戦下の当時、政治情勢、思想・信条の相違などから議論は激しく対立し、紛糾する中で、最も力を注いだことは何であったか――。
それは、「世界の各民族の間に“精神的なつながり”を創り出すこと、すなわち、“精神の世界性”を確立すること」であったといいます。
皆が同じ「人間」という原点に立ち返り、「共通の目標」へ粘り強く語り合う中で、やがて対立を乗り越え、ついに世界人権宣言が採択されたのです。
私には、この奮闘の昇華が、コロナ禍にも負けず、世界から集った友と熱い議論を交わしながら、共に学び抜き、「平和の建設者」として力を磨き上げてきた卒業生の皆さんの青春と、深く重なるように思えてなりません。
一、本日、来賓としてお迎えしたシリン・エバディ先生は、投獄など命にも及ぶ迫害にも屈せず、人権と人道の信念の闘争を貫いてこられました。
先生は2003年、ノーベル平和賞受賞記念のスピーチで、「世界人権宣言」の精神に触れつつ、“21世紀を暴力から解放する唯一の道は、人種、性別、宗教、国籍、社会的な立場の違いを超えて、全ての人々の人権を理解し、擁護する実践にある”と叫ばれました。
生命尊厳の哲学を体し、価値創造の力を蓄え、人間尊敬の連帯を培ってきた皆さんは、創価の世界市民の真価を、いよいよ賢くたくましく朗らかに発揮し、自らの使命の舞台から21世紀を明るく晴らしていただきたいのです。
かけがえのない皆さん一人一人と、私はこれからも陽光きらめく「平和の池」の畔で語らう思いで、健康幸福と栄光勝利を祈り抜いてまいります。
最後に「君よ、あなたよ、地球民族を照らす“希望の光”と輝け!」と申し上げ、お祝いの言葉とします(大拍手)。