アルピニスト・野口健さんからの贈り物②  徹底責任個別指導の未来義塾✎✎

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アルピニスト・野口健さんからの贈り物②
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2021/08/22

第8回  自然と人間を守る

教育が夢をつくる!

――教育を受けられない子どものために学校を建設する活動も継続されています。

08年には「マナスル基金」を設立し、ネパールのサマ村に学校をつくりました。
   

マナスル山麓のサマ村は標高3600メートルほどの高地にあり、首都カトマンズから歩いて10日ほどの場所にあります。

今も村人は自給自足の生活を送っています。

 ある時、村の子どもたちに「みんなの夢は何?」って聞いてみたんです。

すると皆、キョトンとしている。通訳のシェルパが「そんな質問、むだだよ。この村に夢なんて概念はないから」というのです。

当時、村には電気もテレビもなく、大半の村人は外の世界を知らない。ヤクを放牧して芋を栽培する。それが全てだったんです。

子どもは、自ずと夢を持つもの――その認識が正しくないことに気付かされました。

僕自身、植村さんの本のおかげで登山家になることができた。

本を読み、教育を受けることは、本当に大事なんですね。

それで、寄付を募って村に学校をつくったんです。

日本で使われなくなったランドセルを集め、プレゼントもしました。

ひとたび学校ができると、村の雰囲気はガラッと変わり、明るくなりました。

村外からもたくさんの子どもが学びに来ています。

数年後に訪れた時、もう一度、子どもたちに夢を聞いてみたんです。

すると、「学校の先生になりたい!」「ヘリコプターのパイロットになりたい!」と、楽しそうに答えてくれたのです。

すごいと思いました。

人は教育によって可能性を大きく開くことができるんだと、改めて実感しました。

サマ村の子どもたちと ©野口健事務所 

子どもに「体験」の機会を

 

――日本では子どもたちへの環境教育にも力を入れていますね。
  

子どもの成長に大きな影響を与えるものに「体験」があると思っています。体験に勝るものはありません。

何か忘れられないような体験をすれば、子どもたちは行動を起こします。

小笠原諸島で、こんなことがありました。

東京から南へ約1000キロに位置するこの島では、島民が乗らなくなった多くの車が不当に廃棄されていました。

車を処分するには、船に乗せて内地まで運ばないといけません。

お金がかかるのでナンバープレートだけ外して山の中に捨ててしまうんです。

私有地に捨てられたごみは地主が対処することになっており、行政も手を付けませんでした。

そこで、私が主宰する環境学校で学んだ島の子どもたちが「あの車を片付けたい」と、自ら立ち上がりました。

手書きでポスターを作り、島にある数少ない信号機の前で街頭演説みたいなことを始めたのです。

その熱意が島民の心に届き、最後は行政も動かし、車の撤去作業が始められたのです。

子どもたちが地域や世界に目を開き、行動を起こすきっかけをつくるのは大人の大事な役目です。

子どもは自ら体験をすると、それに興味を持ち、もっと知りたい、もっと探究したいとなる。

これが本来の学びにつながるのです。

 建設を支援したネパール・ポカラの学校 ©野口健事務所

 

変化はゆっくり進む


 ――現在、気候変動や自然災害など、さまざまな課題があります。地球社会を守るために大事なことは何でしょうか。
  
 地球温暖化は、登山家としても肌身で実感しています。氷河がものすごい勢いで溶けていて、ヒマラヤの川の水量は増えるばかりです。

エベレストのふもとのイムジャ湖という氷河湖も、いつ決壊してもおかしくない状況です。洪水が起きてしまえば、周辺の村は水没してしまうでしょう。何とか食い止めなければいけません。

振り返れば、富士山の清掃も当初は多くの人に批判されました。

自分が拾うごみより、捨てられるごみの方が圧倒的に多かった。でも、清掃活動への参加者は年々増え、今では「ごみがないじゃないか」と文句を言われるほどです。

物事の変化は、じわじわと進んでいくものです。5歩進んだと思ったら、4歩下がってしまう時もある。でも「0」にはならない。

最初の一歩は残っています。それを足掛かりに、次の一歩を踏み出す。そうやって「続ける」中で、大きな変化になっていくのです。

僕はこれからも、自分にできることをコツコツとやり続けていきます。

そうやって皆ができることをやり、協力していけば、きっとすごい力が生まれると信じています。

 

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